磁石
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生活 > 知恵
子どもの頃、家庭や学校で赤く塗られた馬蹄形の磁石を持って、クリップや鉄釘、鉄粉をくっつけては遊んだ記憶を誰でも持っていることだろう。ところで、どうして磁石は鉄以外のものを引きつけないのだろう。
磁石自体鉄でできている。ほかに鉄でできているものと言えば、例えば、鉄釘、鉄鍋といろんなものがあるが、鉄釘や鉄鍋に磁力はない。これはどういうことか。
物質を究極の小さな単位である原子や分子に分けて考えてみよう。固体は普通原子がきれいに並んだ状態になっている。鉄やニッケル、コバルトといった元素(一種類だけの物質でできたもの)の場合、原子一つ一つがN極とS極を持つ磁石になっている。磁石といえば鉄と考えられているのは、鉄が磁石としては最も実用的なので普及しているというわけだ。
鉄釘や鉄鍋の鉄も、ごく小さな範囲(磁区)では常に磁石になっているが、その小さな部分の磁石が全く別の方向(N―Sの方向)を向いているため、全体として打ち消しあって、磁石としての効果がなくなっているのである。だから、普通の鉄釘や鉄鍋どうしがくっつくことはない。
では、おもちゃの磁石や実験室の磁石はどうか?
鉄の中の小さな磁区の磁石がすべて一定の方向にそろえてあるのである。このため棒磁石の一方はN極、他方はS極になっている。
棒磁石を鉄鍋や鉄釘に近づけると、それらの鉄の内部の小さな各磁区もNとSの方向がそろってしまい、棒磁石のN極にくっつく側の釘にはS極が現れる。そして、その反対側がN極。したがって、強力な磁石がそばにあると、周りの釘やクリップのN極とS極の方向がそろい、磁石となってどんどんぶら下がることになる。
なお、地球自体も大きな磁石になっている。自由に回転できるように針の形にした磁石(磁針)は、そのN極を北に向けることを誰でも知っているだろう。つまり、北極はS極、南極がN極の巨大磁石、それが地球なのである。
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