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金剛力士像
【東京雑学研究会編】

雑学大全趣味 > 芸術

平安末期から鎌倉時代初期にかけて、仏教美術の世界に仏像彫刻で名を残したのが、運慶・快慶である。いかにも武士の時代の到来を告げるような、力強い作風が評価されているのだ。
運慶は高名なわりに、実際に残されている確実な作品は少ないが、慶派と呼ばれる一門をひきいて、多くの仏像制作に関わったことは間違いない。
そんな中で、東大寺南大門の金剛力士像、いわゆる仁王像は、口を開けた「阿形」像が快慶の作であるのに対し、口を結んだ「吽形」像が運慶の作とされてきた。
ところが一九八八(昭和六三)年から始まった大修理で、像の胎内から見つかった経典にある大仏師の名が、阿形像からのものには確かに運慶・快慶とあったが、吽形像から出たものに書かれていたのは違う名前になっていた。
普通に考えると、仏像の胎内に納める仏典などとともに記される名前は、その仏像を彫った仏師のものである。作風から見て、運慶・快慶作に違いないと専門家たちも認めていた代表作に疑問符がつくことになったのだから、像の修理は五年ほどで終わったが、仁王像の作者の謎ときには時間がかかった。
やがて詳しく像を調べた結果、「吽形」像にあった名前の「定覚・湛慶」も、やはり実際に制作にたずさわっていたことが判明してきた。
南大門の仁王像は、運慶をリーダーとする仏師の一門のなかから、彼の指示で名前のあった四人が作ったのだろうというのだ。定覚と湛慶は運慶の指示どおりの作業をしたため、「吽形」像は運慶らしい作風になり、運慶とともに「阿形」像に取り組んだ快慶は、運慶の指示はあったものの自分の個性を強く出したのででき上がりが自然と快慶らしいものになったのだろうというのが、目下のところの結論である


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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ISBN: 978-4487799473