高速道路
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 地理 > 場所
山の多いところも平野部も高速道路が整備されるようになって久しい。山間部の高速道路につきものがトンネルであるが、その中の照明は、街灯のような蛍光灯や水銀灯とは異なり、みんなオレンジ色の光を放っている。
この照明に使われているのが、「低圧ナトリウムランプ」と呼ばれるもので、ガラス管にナトリウムの蒸気を封入してあるので、波長(五八九ナノメートル)の長いオレンジ色の光だけを放つ。では、なぜオレンジ色のナトリウム光がよいのだろう。
理由の一つは、トンネルの中は、自動車の排気ガスや埃が多いということである。普通の照明によくある白い光では、排気ガスなどを反射して、前方が見えにくくなる。ところが波長の長いオレンジ色の光は遠くまでよく通り、前方がよく見えるのである。時速八〇キロを出したとき、六〇ルクスの明るさの中を走れるように、六~七メートル間隔でランプが設置されている。しかも、入り口付近のランプは、奥に設置されたものより明るい。なぜなら、ドライバーの目は、トンネルに入ってすぐにその暗さと狭さに適応できないからである。その環境になれるまで、しばらく照明を明るくしてあるというわけ。
もう一つの理由は、ナトリウムランプは消費電力が少ないので、省エネ対策になるからである。水銀灯の二分の一から三分の一しか電力を消費しないので、ランプの寿命も長い。
ただし、蛍光灯や電灯、太陽光と違って光の色の幅を持たないので、ナトリウム光の中では物体がオレンジ色のモノトーンに見える。だからトンネル内の非常駐車帯などには、蛍光灯が用いられている。赤い消火栓も黒っぽく見えるので、蛍光色の赤に塗られている。こうするとナトリウム光の中でも赤に見えるのである。ちなみに近年、効率のよい蛍光ランプが開発されたので、トンネル内の照明にも採用され始めたという。
さらに「高圧ナトリウムランプ」も登場。これはほかの波長の光も出すので、色の識別ができるとのこと。街灯の省エネに一役も二役も買えそうである。
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【この辞典の書籍版説明】
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