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胃の蠕動運動
【東京雑学研究会編】

雑学大全ヒトの不思議 > 人体

人前でお腹が「グー」と鳴るときのバツの悪さ、恥ずかしさを経験した人は多いだろう。特に朝食をぬいたときなど、昼近くになると、「グー」と鳴り出し、自分の意志ではどうしようもない。そんなとき、お腹の中ではいったい何が起こっているのだろう
胃は、入ってきた食べ物を、蠕動運動によって消化を促進し、腸に送り出すところが、胃に食べ物が入ってないときは、空気が胃の狭い出口から腸へと押し出されるため、「グー」という音が聞こえるである
では、食べ物が入っていない胃が、なぜ蠕動運動を始めるのか。それは、胃の働きをつかさどる脳の自律神経の領域が、感情中枢と隣り合っていて、感情の影響を受けやすいからだという。感情中枢の影響を受けると、食べ物が入ってなくても蠕動運動を始めるという。
また、「グー」という音は、血糖値の面から理解することができる。人間が活動するためには、血液一ミリリットル中に、約一〇〇ミリグラムの糖が必要で、そのために人間は一日に何度か食事をする。
食事の後、血糖値が上昇し、そして、時間が経つにつれ下がっていく。やがて空腹を感じて、また、食事で糖分を補う。一日は、これの繰り返しである
血糖値があるレベルまで下がると、それを補うために、脳が胃に信号を送る。その信号を受けた胃は、収縮運動を起こすことになる。
このときの「グー」を予防するには、牛乳や飴玉をちょっと口に入れておけばよい。しかし、この音、胃の形や空気の量によって、鳴ったり、鳴らなかったりと個人差があるそうである
ちなみに、お腹が発する音には、胃で鳴る音以外に、腸で鳴る音もある。そんな場合、腸カタル腹膜炎腸閉塞などの病気や便秘、下痢が原因であるようだ。腸の動きがスムーズでないとき、腸内に食べ物のカスやガスがたまる。それらが急に移動するとき、ゴロゴロと鳴るのだ。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473