イクラ
【東京雑学研究会編】
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人工イクラがこの世に誕生したのは、一九七九年とまだ記憶にあたらしい。はじめて口にしたときの感触は「あれっ、これイクラ?」というくらいなものだった。
人工的に作られた食品としては、スムーズに国民に受け入れられたほうだろう。
本物のイクラよりもちょっと小粒で、赤くて可愛らしいあの姿は、あっという間に食卓の人気ものとなった。
では、この人工イクラ、どこからヒントを得たかというと、意外にも食品とは無関係の化学工業だった。
日本カーバイド工業という、接着剤を作る会社が産みの親なのである。工場で接着剤を作っていたところ、偶然できた寒天状の皮膜からヒントを得たのである。
この寒天状の皮膜が、イクラの表面にとてもよく似ていることに目をつけ、人工イクラの発明を手掛けたのだった。
試行錯誤の結果、イクラによく似た皮膜で、ビタミンEを添加したサラダ油をくるんで、イクラらしさを出すために、海藻のエキスを加えている。さらに、あの可愛らしい赤は天然色素を利用してつけたのだった。
ビタミンEも含まれていて、しかもコレステロールは本物のイクラよりも低い。健康にもよいこの人工イクラ、今では寿司ネタとして欠かせない一品になっている。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!! |
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