コミュニケーションに必要なのは「感謝」と「報酬」
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【60歳からの人生を愉しむ心理学】 第4章 一生を共にする「周り」を >
男性のほうからもひとつ言わせてもらうと、男性が一生懸命、妻とコミュニケーションをとろうとしたとき、妻からもリアクションがほしいものです。たとえば「ありがとう」と言ったら、ニコッとするくらいでもいいのです。
動物に芸を覚えさせるときに餌をやるのと同じ、「報酬」です。「これをしたら餌がもらえる」と思えば、芸をする。学習させるためには報酬が必要なのです。
人の場合、必ずしも物をあげなくても、笑顔でも言葉でもいい。気分よくさせられればいいわけです。
夫が「ありがとう」と言ったらすごくうれしそうにすれば、夫は感謝の言葉を出すように学習しますが、「急にどうしたわけ?」などと冷たく言われると、二度と言わなくなってしまう。同じ「急にどうしたわけ?」でも、ニコニコとうれしそうに言ってほしい。
関係性作りというのは、一方が一生懸命やってもダメで、もう一方が協力しないとできません。双方向なのです。
妻のほうがいろいろな働きかけをしても、夫のほうからまったく反応がなければ関係性は作れません。同じく、夫がその気になっても妻に冷たくあしらわれたら、やはり関係性作りは挫折します。タイミングが大事。
しかし、一般的に女性のほうがコミュニケーションに関して敏感ですから、男性が「妻とコミュニケーションしよう」という熱心さを見せれば、まだ間に合う可能性もあります。早ければ早いほどいい。
妻を「ほめる」というのも、「そんなしらじらしい」と思う男性に限って、自分がほめられたら単純に喜ぶものです。
「このネクタイ、あなたに似合うと思って買ってきたのよ。あら素敵」と妻に言われたら、ちょっと鼻を高くするでしょう。そのとき、「俺もまだまだイケる」と勘違いして自信をつけて、会社の若い美人社員に色気を出したりしてはいけません。ほめてくれた妻に感謝して「ありがとう」とニッコリ。
感謝の気持ちをこめて、妻に似合いそうな素敵なストールをプレゼントすれば完璧です。双方向に感謝と報酬を。
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【この辞典の書籍版説明】
「60歳からの人生を愉しむ心理学」渋谷昌三(目白大学教授) |
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多くの人が60歳からの「人生の後半戦」「定年後」に対して、ネガティブなイメージを抱きがちです。本書では「老い」に無理に抵抗することなく、「豊かに」「軽やかに」「上手に」愉しみながら年を重ねていくコツを心理学的なアプローチを中心に紹介します。 |
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60歳からの人生を愉しむ心理学[link] |