妻へのコミュニケーションは「他人感覚」でスキルが発揮される
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【60歳からの人生を愉しむ心理学】 第4章 一生を共にする「周り」を >
夫婦の関係性を保っていくために必要なのは、広い意味でのコミュニケーション・スキル(技術)です。
単純ですが、まず話をする。私の場合は朝起きたら「おはよう」と声をかけることを心がけています。顔を洗うときにタオルを出してくれたら「ありがとう」。
ときには無理やり「相変わらずきれいだね」「その服、似合ってるよ」と言う。
非常に素朴なことですが、「ありがとう」も言わない男性は多い。「まさかうちの妻に!?」などと思ってはいけません。何度でも言いますが、それがコミュニケーション・スキル。「関係」を「作る」ということです。男性はそのスキルが低いのです。
さらに、たまには妻が喜びそうなレストランを探して、一緒に食事に行く。場合によっては何か買ってきてプレゼントする。
これらはみな、男性が「女性を落とす」ためには難なく(必死に)やっていることです。また、仕事の営業であれば、お世辞を言ったり、接待したり、ちゃんとやっている。さまざまなスキルを駆使しています。
これは「目的的行動」「道具的スキル」と言って、「〇〇を××するために使う道具」なのです。言葉にしても、プレゼントを買っていくのも、相手の女性に気に入ってもらうため、仕事の交渉を有利にするためのスキルです。
ところが、男性は目的が設定されないと、このスキルが発揮されない。会話と同じで、課題がないとうまくできないのです。妻とのコミュニケーションをなぜサボるかというと、妻はすでに「目的」ではなくなっているからです。
妻を「目的」にするためには「他人感覚」が必要です。
「妻は家にいるけれど、他人。いつ出て行くかわからないから、長生きしたければなんとしてもつなぎ止めねばならない」。こう課題設定すれば、仕事で磨いたコミュニケーション・スキルが妻との関係維持に十分役立ちます。
夫婦の関係など、決して一心同体にくっついてはいないのです。重ねているだけですから、うっかりするとズレてしまいます。そのズレを常に修正するという大目的を忘れないようにしておきましょう。
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【この辞典の書籍版説明】
「60歳からの人生を愉しむ心理学」渋谷昌三(目白大学教授) |
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多くの人が60歳からの「人生の後半戦」「定年後」に対して、ネガティブなイメージを抱きがちです。本書では「老い」に無理に抵抗することなく、「豊かに」「軽やかに」「上手に」愉しみながら年を重ねていくコツを心理学的なアプローチを中心に紹介します。 |
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60歳からの人生を愉しむ心理学[link] |