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顕微鏡
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雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2実用アイテムに見るモノの技術 >

顕微鏡は16世紀末、オランダの眼鏡士によって発明された。以来、細胞の発見など、さまざまな分野に多大な貢献(こうけん)をしてきた。まずここで、中学校などの実験で利用される光学顕微鏡の原理を復習しよう。光学顕微鏡とは、光で微小なものを観測する顕微鏡のことだ。基本構造は対象の近くの対物レンズと、目の近くの接眼レンズからなる。二つのレンズはともに凸レンズである。凸レンズは実像と虚像(きょぞう)を作り出せるが、対物レンズの凸レンズは試料(しりょう)を拡大して実像を作る。接眼レンズはその実像を虚像として拡大し、我々の目に見せるのだ。このように二段階で拡大することで、1000倍くらいまで拡大できる。現代科学でよく知られているように、小さな物質には波としての性質がある。電子がその代表例である。光も同様に波である。そこで、同じ波ならば、光を電子に置き換えても顕微鏡ができるはずだ。このような考えから作られたのが電子顕微鏡である。光学顕微鏡は可視光(かしこう)を利用するため、その波長よりも小さなモノを見ることはできない。しかし、電子線の波長は電圧を高くすればいくらでも短くできる。こうして、それまで見ることのできなかったナノの世界(1000万分の1センチくらい)を映し出すことが可能になったのだ。電子顕微鏡のしくみを見てみよう。試料に電子線を当てると、電子線は光のように回析(かいせき)・散乱(さんらん)され、それを光学顕微鏡と同様に2段階で拡大する。普通の光学顕微鏡では、2段目の接眼レンズは虚像を作るが、電子顕微鏡では2段目も実像を作り、それを写真に撮る。電子顕微鏡は電磁石がレンズの役割を果たす。これを磁界レンズと呼ぶ。手探りでもモノを「見る」ことができる。近年活躍している走査型(そうさがた)プローブ顕微鏡(SPM)と呼ばれる顕微鏡だ。細い針(探針)で表面をなぞり、その動きや電気の変化によって凹凸を検知する。これにより、原子1個のレベルまで調べられるようになっている。


中経出版
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」
JLogosID : 14820744


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【この辞典の書籍版説明】

「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」涌井良幸・涌井貞美

大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください!

出版社: 雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2[link]
編集: 涌井良幸・涌井貞美
価格:648円+税
収録数:
サイズ:
発売日:
ISBN: 978-4806148029