第三のエコカー
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【雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2】 乗り物に見るモノの技術 >
「第三のエコカー」とは、これまでのエンジン技術を高め、低燃費を実現した自動車のことである。電気自動車でもない、ハイブリッドカーでもない、まさに「第三」の既存(きそん)方式を採用したエンジンを動力源にした自動車である。既存方式といってもバカにできない。ハイブリッドカーなどと同等の環境基準をクリアできるのだ。また、高い費用やメンテナンス技術が不要なため、特に新興国(しんこうこく)ではありがたい自動車だ。現在、第三のエコカーの特徴として有名な方式は三つ。ダウンサイジング、クリーンディーゼル、アイドリングストップである。ダウンサイジングとは「小型化すること」。エンジンを小さくすることで軽量化し、快適なドライブを保証しながらエコを実現する。このダウンサイジングを実現するのに重要な部品の一つがターボチャージャーである。同じ出力を維持しながら、エンジンを小さくできる装置だ。昔はスポーティーな車に備えられていたが、現代ではエコの主役として活躍している。タービンとコンプレッサーを両端(りょうたん)に備(そな)えた軸が主要部品で、タービンを排気の力で回し、コンプレッサーの力で多量の空気と燃料をエンジンに送り込む。こうして、一回り大きなエンジンと同等のパワーを生み出すのだ。クリーンディーゼルとは、従来のディーゼルエンジンの持つ「黒煙を出しながら走る」「騒音が大きい」などの欠点を克服したエンジンだ。ガソリン車よりも燃費がよく、二酸化炭素の排出量も少ない。それを可能にしたのが、コモンレールシステムと呼ばれる燃料噴射システムである。コモンレールとは、燃焼室の手前にある蓄圧室(レール)のこと。これに高圧の燃料をため、燃料噴射装置(インジェクター)で正確なタイミングで燃焼室に噴射する。アイドリングストップとは「停車時にエンジンを停止させる」技術で、特に市街地では有効だ。市街地での運転では、約半分の時間は止まっている状態といわれているからだ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」涌井良幸・涌井貞美 |
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大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください! |
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出版社:
雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2[link] |