除湿機
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【雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2】 家電に見るモノの技術 >
密閉性の高い現代の住環境では、除湿機が大活躍する。使ってみると、実によく水がたまるのだが、どうやって空気から水を取り出すのだろう。家庭用に市販されている除湿機には2種類ある。コンプレッサー方式とデシカント方式である。また、これらを組み合わせた方式もある。コンプレッサー方式の除湿器はエアコンの冷房機能と同じしくみだ。エアコンの室内機と室外機をコンパクトにまとめた構造になっている。空気を冷やすと結露するが、その結露を取り出して排出することで除湿するのだ。実際、エアコンも、冷房時にはしっかりと除湿してくれるのは周知のことだ。デシカント方式の「デシカント(desiccant)」とは「乾燥剤」の意味で、この方式には実際に乾燥剤が利用されている。その乾燥剤で吸い取った空気中の水分はヒーターで熱せられて乾燥剤を離れるが、熱交換機で室温に冷やされ、結露・排出される。両者とも、一長一短がある。コンプレッサー方式は除湿能力が高く大きな部屋にも使えるが、冷却が基本原理なので低温時にはその能力が落ちる。デシカント方式はシンプルな構造のため軽量・静音で、乾燥材を利用するので冬にも強い。しかし、ヒーターを使うぶん、電気代がかかる。これらの構造からわかるように、両者の方式とも、利用すると室温を高めることになる。特にデシカント方式はヒーターを利用するため部屋を暑くする。冬はいいが、夏場は困る。夏の除湿にはエアコンが最適なのである。ところで、エアコンを梅雨時に除湿モード(ドライモード)で利用すると寒くなることがある。基本的に、除湿といっても「弱冷房除湿」をしているからだ。そこで、高級なエアコンには再熱除湿機能が付加されている。冷房を働かせているときに室外機で排出する、暖かい空気の一部を室内に戻す機能である。要するに、冷房しながら排熱で暖房するわけである。こうすることで、室温を下げずに除湿できるのだ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」涌井良幸・涌井貞美 |
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大好評を得た既刊『身のまわりのモノの技術』の待望の続編! 「日頃よく使っているモノ」あるいは「意識しなかったけど、じつは身近にあるモノ」などに活かされている“技術・しくみ"について、豊富な図版をまじえながらシンプルに解説する本。 モノの技術やしくみが少しでもわかると、そのモノへの愛着と興味が増し、何気なく手にしたり触れたりするモノが、より身近になります。 本書を通じて、「科学技術の結晶」たちのスゴ技を、とくと堪能してください! |
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雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2[link] |