陸上交通
【りくじょうこうつう】
【道と路がわかる事典】 7章 乗り物についての豆知識 >
陸上交通は鉄道と自動車で主導権争いを演じているが、動力を使って走る最初の乗物は鉄道だったのか、それとも自動車だったのか。日本に輸入されたのは、自動車より鉄道の方がはるかに早かったが、誕生したのは自動車の方が早かったのである。
一七六九年、フランスのニコラ・ジョセフ・キュニョーが発明した蒸気三輪自動車が、世界初の動力を使った乗物だといわれている。一八〇一年には、イギリスで四輪の蒸気自動車が開発され、蒸気乗合バスも走った。やがて電気自動車も登場し、蒸気自動車と電気自動車は互いに技術を競い合いながら進歩していった。
しかし、両者はともに大きな欠点を持っていた。蒸気自動車は煤煙や火の粉を撒き散らし、危険なばかりではなく、自然環境におよぼす影響も大きい。また、走り出すまでに時間がかかる。一方の電気自動車は、公害の問題はなかったにしても、一回の充電では走れる距離が短く、しかも多くの電池を搭載する必要があることから、室内が狭いなどの欠点があった。
そこで登場したのが、ガソリンエンジン車である。一八八五(明治一八)年、ドイツのゴットリーブ・ダイムラーがガソリンエンジン二輪車を、同年ドイツのカルル・ベンツは、ガソリンエンジン三輪車を開発。四輪のガソリン自動車は翌年、ダイムラーによって完成された。これらのガソリンエンジン車が、今の自動車の原型だといわれている。
日本に自動車が輸入されたのは明治三二年、ガソリン車ではなく、アメリカ製の三輪電気自動車であった。やがて日本でも自動車の生産が始まった。明治四〇年、東京自動車製作所で誕生した「タクリー号」である。
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【この辞典の書籍版説明】
「道と路がわかる事典」浅井 建爾 |
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道を切り口に日本を旅する楽しみに出会う本。身の回りの生活道路の不思議から、古道の歴史、国道や高速道路、橋やトンネル、乗り物まで道と路に関する知識が満載。 |
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