地下高速道路網
【ちかこうそくどうろもう】
【道と路がわかる事典】 5章 いろいろな道 >
大都会の都心部は、所狭しとばかりにビルが林立し、道路の下には地下鉄が走り、地下街や地下駐車場も建設されている。もはや都市空間は、地上も地下も限界になりつつある。そこで、さらに深い地下空間を有効に活用し、都市機能をより一層高めようという構想が持ち上っている。ビルがどんどん高層化していくように、地下に向っての高層化、高深度化を推し進めようというのである。
現在走っている地下鉄の、そのさらに下に高速道路を走らせ、商店街や体育館、公園など、都市が要求する施設を建設する。SFの映画や小説などでは、たびたび地下に開けた巨大都市が登場するが、そのSFの世界がやがては誕生するかもしれないのだ。
外国ではすでに体育館やアイススケート場などの施設が、地下につくられている都市がある。これらの施設は、緊急時のシェルターの役割も果たすという。日本でも、青函トンネルのように、海面下二四〇mの地中を鉄道が走り抜けているではないか。地下都市、地下高速道路構想は、現実味を帯びた将来の都市計画なのである。
地下高速道路を走る車は、未来都市にふさわしい無公害車で、電磁波によって走行する車を走らせようというのだ。車は巨大な高速エレベーターで一気に大深度地下に運ばれ、そこから地下に建設された道路を、高速で走行するのである。首都高速道路のような高速道路網が、東京の地下深くに建設される日がやがてくるかもしれないのだ。
いずれにしろ、地下に何を建設するにしても莫大な費用がかかるので、実現するまでには長い年月を待たねばならないが、道路を建設していく側も利用するわれわれも、将来の夢として期待したいものである。
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【この辞典の書籍版説明】
「道と路がわかる事典」浅井 建爾 |
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道を切り口に日本を旅する楽しみに出会う本。身の回りの生活道路の不思議から、古道の歴史、国道や高速道路、橋やトンネル、乗り物まで道と路に関する知識が満載。 |
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