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ITS
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道と路がわかる事典5章 いろいろな道 >

モータリゼーションが到来して以来、車は急速に普及し、それに遅れをとるまいと道路の建設、整備も積極的に進められてきた。だが、さまざまな問題が置き去りにされてきたままだともいえる。渋滞の問題ばかりではなく、一向に減少しない交通事故や環境破壊など、これらをどう解消していくかが今後の課題なのである
今まで交通渋滞を解消させるために、道路の拡幅や立体交差化などさまざまな手を打ってきたが、これにも限度があり、TDM(交通需要マネジメント)も決定的な解決策とまではいかない。交通事故の問題にしても、歩道と車道の分離、中央分離帯ガードレールなどの設置、それに信号機道路標識を充実させるなどして、ある程度の成果を上げてきたが、これにも限界がある。環境問題も深刻だ。
これらの諸問題を解決するにはどうすればよいのか。そこで今、期待されているのがITSの導入である。ITSとは、高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems)の略だ。要するに、高度に発達した情報通信技術を生かして、道路と車を一体化した道路交通システムを確立し、安全で快適な道路交通を目指そうというものである。ITSの研究は、わが国ばかりではなく、欧米諸国も真剣に取り組んでいる。ITSは、最先端の道路通信技術の総称を意味する用語で、道路通信技術にはさまざまなものがある。
その代表的なものがVICS(道路交通情報通信システムである。道路上に設置した情報発信装置(ビーコン)やFM多重放送により、走行中の車にカーナビを通じて交通情報を提供するというものだ。即時に交通情報を発信しており、ドライバーは渋滞情報や交通規制、事故情報などをいち早くキャッチできる。これによって渋滞を回避し、安全で円滑、快適な走行ができるという次第である。すでにこの情報サービスは実用化されており、急速に普及していくものとみられている。
ETC(自動料金収受システム、Electronic Toll Collection System)も、ITSの一翼を担う道路交通技術として期待されている。高速道路は、料金所が一つのネックになっている。ETCは、料金所で停止することなく電波信号によって料金を収受できるシステムなので、これの導入によって高速道路の渋滞はかなり緩和されるはずだ。すでに一部の高速道路で実用化されており、やがて全国の高速道路にまで普及していくのだろう
このほか、AHS(走行支援道路システム)も、将来のITSを支える先端技術として成り行きが注目されている。


日本実業出版社
「道と路がわかる事典」
JLogosID : 14820744


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【辞典内Top3】

直線道路  人工河川  道路の通称名  

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【この辞典の書籍版説明】

「道と路がわかる事典」浅井 建爾

道を切り口に日本を旅する楽しみに出会う本。身の回りの生活道路の不思議から、古道の歴史、国道や高速道路、橋やトンネル、乗り物まで道と路に関する知識が満載。

出版社: 道と路がわかる事典[link]
編集: 浅井 建爾
価格:1620
収録数: 255274
サイズ: 18.6x13.4x2cm
発売日: 2001年11月
ISBN: 978-4534033154