国道の長短
【こくどうのちょうたん】
【道と路がわかる事典】 2章 国道・高速道路の雑学 >
全国に四五九路線ある国道のなかで、最も長い国道は何号線か。それは東京日本橋と青森市を結ぶ全長七四三・六kmの国道四号で、旧奥州街道とほぼ同じコースをたどっている。次いで長いのは、東京から大阪までの旧東海道に沿って走る国道一号で、全長六一二・九km。三位は国道九号で、京都から山陰地方を海岸づたいに通り、下関市までの五九四・七km。いずれの路線も長く、起点から終点まで走るのは容易ではない。
一方、短い国道となると、日本一短い国道は、なんと鉄道のプラットホームよりも短いのだ。全長わずか一八七m。神戸港と国道二号を結ぶ国道一七四号である。歩数にして三〇〇歩あまり、三分とかからない距離なのである。東京駅のプラットホームは五〇〇m近くあるから、その半分以下しかないことになる。次いで短いのは、岩国空港と岩国市街を結ぶ一八九号で、全長三七二m。三位は東京芝と東京港の間の国道一三〇号で全長四八二m。
では、なぜこのような短い国道が存在するのか。前にも述べたように、港(空港)は日本の陸上交通を担う上で最も重要視されてきた。道路がいち早く整備されたのも、東京や大阪と開港場とを結ぶ路線だった。その路線がたとえ短くても、物資輸送など、日本の経済活動にとっては重要な道路なのである。
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【この辞典の書籍版説明】
「道と路がわかる事典」浅井 建爾 |
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道を切り口に日本を旅する楽しみに出会う本。身の回りの生活道路の不思議から、古道の歴史、国道や高速道路、橋やトンネル、乗り物まで道と路に関する知識が満載。 |
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