地点標・水準点
【ちてんひょう・すいじゅんてん】
【道と路がわかる事典】 1章 現代の道おもしろ知識 >
国道などを走っていると、道路脇に「○○まで○○km」と表示された支柱を見かけることがよくある。これが地点標だ。地点標には、起点から一kmごとに設置されたキロメートル標と、一〇〇mごとに設置された一〇〇メートル標の二種類ある。この地点標は、ドライバーに起点からの距離を伝えるために設置したとかいう単純なものではなく、道路を管理、維持していく上で、なくてはならない大切なものなのである。
事故や災害が発生した場合、それがどの地点なのかがわかれば、いち早く現場に駆けつけることができる。市街地であれば目標物は多いし、住所からでもその地点がどこかを確認するのは容易だろうが、もし山間地だったらどうか。これといった目標物もないため、その地点を確認するのに時間がかかる。そのために手遅れになることも考えられる。
たとえば、ある地点で崖崩れや落石が発生しても、それがどこかを口頭では正確に伝えることが難しい。そんな時に地点標が役に立つのだ。「国道○○号の○○km○○mの地点で落石が発生」と告げるだけで、それがどこなのかが瞬時にわかり、迅速な対応ができるというわけである。
全国の幹線道には、地点標とは別に水準点という目標物がある。水準点は地図を作成するために設けられた高度測量の基準となる地点で、日本全国に約一万八〇〇〇か所、二km間隔に水準点の標石が地面に埋め込まれている。日本最高所の水準点は、北アルプスの南の野麦峠(標高一六七二・二八九八m=№九七一、平成十年国土地理院測量)にある。日本一低い水準点は何と、標高マイナス四〇・一三六八m(No.〇〇二◯五八五)、本州と九州を結ぶ関門トンネルの中にあるのだ。なお、「日本水準原点」は国会議事堂東側の尾崎公園内にある。
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【この辞典の書籍版説明】
「道と路がわかる事典」浅井 建爾 |
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道を切り口に日本を旅する楽しみに出会う本。身の回りの生活道路の不思議から、古道の歴史、国道や高速道路、橋やトンネル、乗り物まで道と路に関する知識が満載。 |
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