時雨
【しぐれ】
【暦の雑学事典】 5章 季語と年中行事の雑学 > 霜月
晩秋から初冬にかけて降る断続的な冷たい小雨のこと。「過ぐる」が語源ともいわれるが、諸説があって定かではない。風に送られてくる局地的な通り雨で、ぱらぱらと音を立ててしばらく降りつづき、やんだかと思うと、また降りはじめたりする。
「初しぐれ猿も小蓑をほしげなり」「旅人とわが名呼ばれん初しぐれ」など、時雨を詠んだ句を多く残した芭蕉は、長崎へ向かう旅の途中、大阪で病に倒れ、元禄七年(一六九四年)一〇月一二日に没した。
旧暦一〇月は時雨月の別名があり、忌日の一〇月一二日は時雨忌と呼ばれる。辞世の句は、「旅に病んで夢は枯れ野をかけめぐる」である。
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【この辞典の書籍版説明】
「暦の雑学事典」吉岡 安之 |
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