モンテネグロ
【もんてねぐろ】
【雑学大全2】 地理 > 国・島・都市
モンテネグロ共和国は、アドリア海に面したバルカン半島に位置する小国である。以前は、セルビアとともにユーゴスラビア連邦共和国を構成するセルビア・モンテネグロ共和国であったが、二〇〇六年六月三日に独立した。日本では、元Jリーガー、ストイコビッチ氏の国として一躍注目を集めた国である。このモンテネグロが、明治時代から少なからずわが国と因縁があったことはあまり知られていない。実は、一九〇四(明治三七)年二月四日、日本とロシアは互いに宣戦を布告して日露戦争となったのだが、ロシアと同盟関係にあったモンテネグロ王国(当時)までが日本に宣戦を布告したのだ。とはいっても、当時のモンテネグロ王国は岩手県より小さな面積しかない小国。後の第一次世界大戦における総兵力も二万三〇〇〇名ほどだったというから、日露戦争時の兵力はもっと少なかったはずだ。ユーラシア大陸の反対側まで、まともな規模の部隊を送り込めるわけもない。実際に、満州まで到着したのは、ごくわずかな義勇兵だけだったという。どうも同盟国の顔を立てる、形だけの宣戦布告だったらしい。そのせいかどうかわからないが、一九〇五年八月一〇日から、アメリカのニューハンプシャー州のポーツマスで開かれた日露戦争の講和会議に、モンテネグロの代表は召集されなかった。このため、日露両国間で調印されたポーツマス条約には、日本とモンテネグロの講和条約は含まれておらず、その後も正式な講和条約は結ばれないままとなっている。したがって、現在でも日本とモンテネグロは交戦状態にあるという人もいる。しかしながら、さかのぼってみると、モンテネグロ共和国はユーゴスラビア連邦共和国を再編してできた国で、さらにそれ以前には、この国は第二次世界大戦中に建国されたユーゴスラビア社会主義連邦人民共和国である。同国は一九四五年(昭和二〇)年に日本に宣戦を布告し、戦後の一九五二年に日本と国交を回復している。ということは、この時点で、継承国家であるモンテネグロ共和国との戦争状態も終結していると考えることは十分可能なわけだ。というわけで、現在、モンテネグロ共和国とわが国の間の国際関係は何の問題もない。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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