眼鏡洗浄機
【めがねせんじょうき】
【雑学大全2】 生活 > モノ
眼鏡が手放せないという人でないと理解できないのが、レンズにつく汚れの不快さである。ラーメンの湯気の曇りくらいなら専用クリーナーで拭けば消えるが、知らぬ間につく微細な汚れが、慢性的な汚れとして膜をつくったようになると拭いただけではなかなか落ちない。さらにフレームとレンズの間には、鼻にかけているときの汗やら皮脂やらがしみついて黒ずみを生じさせる。これを一気に解消してくれるのが眼鏡洗浄機である。眼鏡店のサービスとして置かれていることが多く、なんだか水槽のような容器に数分間つけておくだけで生まれ変わったようにピカピカになる。この洗浄機は、水槽のなかに特殊な洗剤液が入っているわけではない。ただの水である(微量の中性洗剤をつかうこともある)。水槽のなかに超音波を流すことで泡を発生させ、その泡が汚れを取り去っているのだ。空中での音の伝達は空気の層が厚くなったり薄くなったりすることで起こるが、これが水中では、水の分子が密な部分と疎の部分ができることで伝わっていく。水中の疎の部分では、圧力が非常に小さくなり、すると水の沸点も下がるから低温沸騰という現象が起こる。水はお湯になることなく泡が発生するのである。この泡は、水中に物体があると、凹凸のある部分で発生しやすくなる。つまり水槽に放り込まれた眼鏡のレンズ表面についた微細な汚れの部分で泡が多く発生することになる。一方、音の伝達には水の分子の疎の部分と密の部分が交互につくられているから、密の部分では圧力が高まるので、この泡は、すぐつぶれることになる。つまり、レンズ表面の汚れの周囲で発生した泡は、すぐにつぶれるが、そのとき汚れも運び去っているというわけだ。当然だが、汚れのひどいフレームとの接続部でも泡が多量に発生して、どんな微細な凹凸部分からも汚れを取り去ってくれる。この洗浄システムでは、使われるのはただの水だから、眼鏡ばかりか、細かい細工のアクセサリーにも使える。金のネックチェーンの網目についた皮脂汚れまできれいにしてくれる。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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