麻薬犬
【まやくけん】
【雑学大全2】 生物の不思議 > 動物
嗅覚の優れたイヌが、その特性をいかして活躍している一つに、麻薬を嗅ぎ分けるというものがある。いわゆる麻薬犬だ。この麻薬犬、もともとイヌたちのなかでも、とくに嗅覚の優れたものが候補となり、その後、訓練を重ねてきたイヌのなかのエリートである。麻薬犬のなかでも優秀なイヌは、麻薬自体だけでなく、前に麻薬を入れていたバッグなどにまで反応するという。それにしても、なぜ麻薬にだけ敏感に反応するのだろうか。一説には、麻薬犬とは、麻薬の味を知っているイヌで、要は人間の患者と同じく、麻薬が欲しくてたまらないために、麻薬のわずかな匂いにも反応するといわれているが、この説はまったくのデタラメである。麻薬犬は、訓練を通して、麻薬の匂いを嗅ぎ分けると訓練士に遊んでもらえたえり、ご褒美をもらえたりするので、そうしてほしくて、敏感に麻薬に反応するのだ。まさにパブロフのイヌ状態なわけだ。といっても、ご褒美は麻薬でないことは前述の通りだ。では、素朴な疑問だが、麻薬を体内に注射するわけではないにしても、頻繁に麻薬の匂いを嗅いでいては、鼻から吸引するのと同じことで、そんなことを繰り返していたら、中毒になってしまうのではないだろうか。これも心配は無用である。麻薬犬が嗅ぐ麻薬は、すべてビニール袋に入った状態だから、いくらくんくんと何度も匂いを嗅いでも、それで鼻から麻薬が体内に吸引されることはない。したがって、麻薬犬が中毒になる確率は、ほぼ皆無といっていい。ちなみに、万が一にも中毒になった麻薬犬がいたとしたら、当然ながら嗅覚がにぶり、麻薬犬としては失格である。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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