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日立
【ひたち】

雑学大全2社会 > 企業

茨城県日立市は、日立製作所のいわゆる企業城下町だ。トヨタ自動車対する豊田市の関係と同じである。市の人口の約三割は日立製作所グループの社員かその家族だという。一般に、日立製作所のことを略して呼ぶ場合は「ヒタチ」という。ところが日立市内では、「ヒタチ」と呼ぶと、それは市の呼び名であって、日立製作所のこととはみなされにくい。そこで日立市民は、日立製作所を「日製」と呼んで、日立市と区別していることが多い。日立製作所近くの信号機は、「日立○○工場前」ではなく「日製○○工場前」と表示されている。バス停同じく「日製○○門」といった表示である日立市と日立製作所の強いつながりが生まれたのは、日立銅山で使う掘削機械やポンプモーターの修理工場を久原房之助氏が営んでいたことによる。この久原鉱業所から独立して生まれたのが日立製作所だった。創業は一九一〇(明治四三)年、小平浪平氏が日本で初めての五馬力モーターを完成させたときである。さて、日立市の「日立」の地名の起源については謎が多い。日立市の前身である日立村は、宮田村と滑川村が合併してできた。ところが、名称については、なぜ「日立」になったのか不明なのだ。一説には、水戸藩の二代藩主徳川光圀が、日立市の山である神峰山で朝日を眺めたところ、非常に素晴らしく、「この眺めは藩内でもいちばんだ」といったので、常陸国の呼び名をもらって「日立」としたといわれている。


東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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ISBN: 978-4487801305