ハイエナ
【はいえな】
【雑学大全2】 生物の不思議 > 動物
ハイエナは腐肉をあさるいやらしい動物だと一般に思われている。実際、中型のカッショクハイエナやシマハイエナは、狩りをするより腐肉をあさることのほうが多いが、ブチハイエナの食物は、(腐肉も確かに含まれるものの)大半が自分たちで捕えたものであり、逆にライオンに横取りされる場合もある。ブチハイエナは、赤道付近の熱帯雨林を除いたサハラ砂漠以南のアフリカに広く分布し、灰色の体にこげ茶色が混じり、黒い斑点があるのが特徴だ。頭胴長一二〇?一八〇センチ、体重五五?八五キロと、ハイエナ科では最も大型の種である。哺乳類としては珍しく、メスはオスより平均して一回り大きい。ブチハイエナの最も大きな特徴は、ホルモンバランスの特異性である。胎児の間、雄性ホルモン、とくにテストステロンにさらされるために、メスも雄性的な外性器を持って生まれてくる。オスばかりでなく、メスにもペニスに似た大きなクリトリスと、丸みを帯びた睾丸のような、一つにつながって突出した陰唇が備わっている。このため、ハイエナは両性具有であるか、あるいは、しばしばその性を転換すると考えられていた。かのヘミングウェイも、猛獣狩りは得意だったが、観察は苦手だったらしく、ハイエナは両性動物だという通説をそのまま体験記に書いている。メスはオスより体が大きいこともあって、オスに対して支配的であり、暴君のようにふるまう。しかし、子どもを産むというメスの役割は確実にこなすという。クリトリスの小さな開口部によって交尾し、やはりペニスのようなその器官を通して子どもを産むが、雌性ホルモンのエストロゲンがタイミングよく増加して皮膚が伸びるため、それほど痛くはないらしい。なお、テストステロンの影響と発達した攻撃器官という組み合わせは、しばしばおそろしい結果を生み出す。一般にハイエナは二頭ずつ生まれるが、二頭がそろっている時間はごくわずかだ。たいていは数時間以内に、片方がもう一方を殺してしまうのである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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