孫文
【そんぶん】
【雑学大全2】 ヒトの不思議 > 人物
孫文といえば、中華民国の創始者として「国父」と呼ばれ、中国共産党からは「革命の先駆者」と尊ばれている中国の大政治家である。広東省の貧しい農家に生まれ、一二歳のときハワイで成功した兄を訪れて、西洋の近代教育を受ける。一八九五年、革命のための秘密結社興中会を率いて最初の武装蜂起を企て、失敗して日本に亡命する。ヨーロッパ訪問の後、一八九七年に日本に戻り、宮崎滔天、犬養毅らと知り合い、東京や横浜に居住する。一九〇五年、興中会など革命三派をまとめた中国同盟会を組織。一九一一年、辛亥革命によって清朝を打倒し、翌年、中華民国の初代臨時大統領となる。まもなく政権を軍閥に奪われると、国民党を組織して軍閥の支配に抵抗し、何度も決起。中国共産党との提携を積極的に進め(第一次国共合作)、国民革命に乗り出した矢先の一九二五年、北京で病没した。生涯を革命に生きた孫文だが、革命のほかにも好きなものがあった。それについて、一八九七年の二度目の来日のとき、こんな逸話が残されている。あるとき、犬養毅が孫文に「いちばん好きなものは何か」と質問した。孫文が「革命」と即答すると、犬養はさらに「そのほかに好きなものは」と尋ねた。孫文はそばにいた犬養夫人の反応を気にしてか、夫人の顔を見て、なかなか答えようとしなかったが、犬養が重ねて尋ねると、「女」と答えた。ただこのとき、女の次には読書が好きだともいったという。また、別の人には、いちばん好きなのが革命で、二番目は読書、三番目が女といっていたらしい。さらに孫文は、日本語を片言で話せるようになると、犬養夫人に「おかみさん」と呼びかけた。「おかみさん」という語をどこで覚えたかについては諸説ある。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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