シーランド公国
【しーらんどこうこく】
【雑学大全2】 地理 > 国・島・都市
「シーランド公国」は、イギリスの南東岸から一〇キロの沖合いにある砲台要塞である。幅九メートル、縦二三メートルの鋼鉄板を、海のなかから飛び出した二本の円柱が支えている牙城であるが、ここで勝手に独立宣言をして、生涯住むことを決めた強者がいる。元イギリス陸軍少佐のロイ・ベーツという人物である。これは軍の命令かというとそうではない。一九六七年に、彼は「終戦時の英国領海は三海里で、軍が放棄した陣地は七海里である」としてこの施設に移り住み、翌年には国家の独立宣言をしたのである。彼は決して孤独な変人ではない。家族がいて、公国には国旗、憲法、旅券、切手までもがある。実際にイギリス本土に、この国の切手ではがきが届くという。しかも家族の「世襲王室」が実現していて、妻のジョアンが大公妃、息子マイケルもこの王室(!?)に入っているらしい。ベーツ本人によれば、一九六八年にイギリス裁判所決定で独立が認められていると主張するが、当のイギリス政府は「触らぬ神に祟たたりなし」といった感じでノータッチ。現在では、息子のマイケルが、引退した父に代わって国家元首に就いているという。さらにこの国には生業もあって、侵入者が入り込めない孤島ということを利用して、インターネット企業に場所を貸しているらしい。そのため仕事の量に合わせて常時四?二〇人が国に出入りしているという。国を海のなかから支えている円柱型の支柱のなかには七階分のスペースがあり、三つの寝室や運動ができる施設、コンピュータ室、牢獄まであるようだ。電力は施設内の発電機を使って供給され、電気製品も当然使えるようになっている。ただ、ほぼ年中ここで生活していた国王ロイ・ベーツと違って、王子マイケルの最長滞在記録は三カ月。イギリスとの二重国籍を持っており、行ったり来たりの生活をしているという。ちなみに、イギリスの新聞で近頃報道された情報だが、公国は六五〇〇万ポンドで売りに出されているらしい。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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