蛍光灯
【けいこうとう】
【雑学大全2】 生活 > モノ
蛍光灯の歴史は意外に新しい。現代人にとって、夜、電気による明かりがない生活は考えられないが、その歴史はまだまだ浅いのだ。とくに蛍光灯は、発明されてからまだ七〇年にも満たない。蛍光灯といえば、オフィスや学校など、正確に色や文字を見ることが必要とされる場所で多く使われるが、そのはじめは、なぜか法隆寺においてだった。一九三九(昭和一四)年、法隆寺が改修をおこなうことになり、その解体に当たって、金堂の壁画を保存しなければならなくなった。模写をするのに、昼間の時間でも金堂は暗くて仕事にならない。明かりをつけて模写をするしかないが、白熱灯では、原画の色彩がわからなくなってしまうし、熱を帯びているので、原画にあたりすぎると色があせてしまう。そこで、東京芝浦電気(東芝)が昼光色の蛍光灯の試作品を法隆寺に持ち込んだ。正式な依頼があったというわけではないが、試作品としては十分に役割を果たし、模写が完成する一九五一(昭和二六)年まで、ずっと使われたという。東芝は、法隆寺で使いはじめた翌年、一九四〇(昭和一五)年四月から本格的に蛍光灯の製造をはじめたが、すぐには家庭に普及せず、潜水艦の照明や航空母艦などの照明として使われただけだったという。なお、この蛍光灯を発明したのは東芝ではなく、アメリカのGE社のジョージ・インマンという人物。水銀蒸気中のアーク放電によって放射される紫外線を、電球の内壁に塗布された蛍光体を発光させる物質にあてて明かりをつくるというものだった。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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