キャメル
【きゃめる】
【雑学大全2】 社会 > 企業
すっかり悪役を担わされてしまったタバコ。アメリカが嫌煙権を主張しはじめて、またたく間に世界中に広がってしまったが、そのタバコ産業に力を注いでいたのもアメリカである。第一次世界大戦以前、アメリカでは多くの銘柄の紙巻きタバコが売り出されていた。一八九〇年設立のアメリカン・タバコ社が、一〇〇種類ものタバコを売り出すと宣言して巨大企業に成長していったからである。ところが、同業他社を吸収して巨大になりすぎたため、反トラスト法に触れることになった。一九一〇年のアメリカン・タバコ社の解散後、それまでの銘柄はいくつかの後継企業に引き継がれて生産されたが、独占企業から解放されたタバコ会社各社は、まったく新しい銘柄をつくれることになった。そんなタバコ会社の一つがR・J・レイノルズ社だった。レイノルズ社は、それまでは?みタバコとパイプタバコしか生産していなかったが、紙巻きタバコにも進出したのである。一九一三年に売り出された「キャメル」がそれだ。たちまち人気を得て、右肩上がりに売り上げをのばしていったキャメルの特徴は、葉のブレンドにあった。それまでの紙巻きタバコはおもにバージニア葉かトルコ葉、あるいはこの二種のブレンドだった。ところがキャメルは、黄色葉とケンタッキー産のバーレー葉を中心にブレンドして香りづけし、ほんのわずかなトルコ葉を加えるという軽いものだったのである。バーレー葉は?みタバコに使われていた種類で香りづけがしやすく、かつて?みタバコを生産していたレイノルズ社ならではの工夫だった。さらに、それまでは五本あるいは一〇本単位で売られていたものを、二〇本のパックにしたのである。現在のタバコのパックが二〇本入りで定着しているのは、このキャメルのスタイルからはじまったものだ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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