アメーバ
【あめーば】
【雑学大全2】 生物の不思議 > 動物
不老不死は人間の永遠の願いであろう。古くは始皇帝が不老不死を求め、徐福という男に蓬莱の国へ行き仙人を連れてくるように命じたという。『竹取物語』では不老不死の秘薬が物語の最後に登場するなど、古来より人間は不老不死に憧れを抱き続けてきた。また、最近でも、抗老化(アンチエイジング)や再生医療、人体冷凍保存など、不老不死をめざした研究も真剣になされている。しかし、残念ながらいまのところ、人間、いや、たいていの生物はみな死ぬ。ところが、無限大の寿命を持つ生き物が存在するのである。それは、アメーバである。アメーバは単細胞で、基本的に鞭毛や繊毛を持たず、仮足で運動する原生生物の総称である。外はプラズマレンマという薄い膜で覆われている。移動の際は細胞内の原形質流動によって、進行方向へ細胞質が流れるに従い、その形を変えるようにして動く。この運動を「アメーバ運動」という。一般に静かな淡水に多いといわれ、水中の落ち葉や水草の上などをはい回って生活するものが多い。水田などでもよく見かける。ときには星形の姿で浮遊する。土壌中からも採取され、土壌微生物を培養すると、培養基の表面に出てくる。一部のアメーバはほかの動物に寄生生活もする。繊毛虫などのほかの微生物を食べて生活し、なかには緑色で光合成をしているアメーバ類も知られている。多くの場合は藻類を一時的に共生させているだけであるが、葉緑体を持っているアメーバもある。また、アメーバは細胞分裂によって増殖する。一つの細胞が二つに、二つの細胞が四つに、といった具合にそれぞれ細胞分裂を繰り返す。分裂するごとに、アメーバは自分の分身をつくっていくわけだから、現在のアメーバは、大昔のアメーバととらえることもできるというわけだ。すなわち、アメーバは死なないのである。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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