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お城坊主
【おしろぼうず】

日本史の雑学事典第5章 政(まつりごと)の巻 > 江戸時代

■11 江戸城内にいるお城坊主とは何者?…身のまわりの世話をする怪しげなホストの役得
 江戸城の殿中には、頭を剃った男たちがぞろぞろいた。こうした者たちの多くは、「お城坊主である。殿中での将軍や諸大名たちのお世話係で、大名たちの着替えから食事の用意、刀の上げ下げ、部屋への案内など、こまごまとした世話を実に丁寧にしてくれるホストのようなものである
 お城坊主は、同朋と坊主の2種類に大別でき、同朋のほうが室町幕府の頃よりある職で、坊主に比べてその地位が高かった。
 殿中は、原則として大名以外は入れないので、大名は皆、お城坊主の世話にならざるを得なかった。そんなわけで、大名にはそれぞれ、懇意にしているお城坊主が必ずいた。彼らがきちんと世話をしなければ、大名は何一つできないのだ。
 とくに、将軍のお側に控えるお城坊主と仲良くしておくと、何かと好都合だった。絶対に手に入らない極秘情報も手にすることができるからだ。逆に、お城坊主の心証を悪くしてしまうと大変である。いわれのない悪口を将軍に吹き込まれてしまう可能性だってある。
 そんなわけで大名は、お城坊主にはかなり気を遣い、日頃から大切に扱った。正月に、お城坊主が懇意にしている大名のもとに年始に出向くと、さまざまなご馳走が供され、莫大な祝儀が与えられたという話も、そうした理由からだろう
 一方、お城坊主は、一人で数名の大名を掛け持ちするのが普通であった。ただし、お世話をするときは、その大名から拝領した羽織を着用する習慣があったので、いくつも掛け持ちしていると、羽織の着替えにてんてこ舞いしたと伝えられる


日本実業出版
「日本史の雑学事典」
JLogosID : 14820744


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【辞典内Top3】

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【この辞典の書籍版説明】

「日本史の雑学事典」河合敦

歴史は無限の逸話の宝箱。史実の流れに紛れて見逃しそうな話の中には、オドロキのエピソードがいっぱいある。愛あり、欲あり、謎あり、恐怖あり、理由(わけ)もあり…。学校の先生では教えてくれない日本史の奥深い楽しさ、おもしろさが思う存分楽しめる本。

出版社: 日本史の雑学事典[link]
編集: 河合敦
価格:1404
収録数: 136語224
サイズ: 18.6x13x2.2cm
発売日: 2002年6月
ISBN: 978-4534034137