火器管制レーダー
【かきかんせいれーだー】
【時事用語のABC】 社会 > 行政・仕組み
ミサイルや大砲の弾の命中精度を上げるため、発射前に電波を照射して目標物の位置や距離、方角、進路、高度などを正確につかみ、発射体制を取るシステムのレーダーのこと。
海上自衛隊の護衛艦に搭載機種の射程範囲は「水上の船なら約20キロ、上空の目標なら60キロ以上」とされる(2013年2月7日・毎日新聞)。レーダーを照射されると、相手側も電波探知装備で攻撃目標にさらされていることが分かるため、国際法上、反撃することは可能と解釈されている。
沖縄・尖閣諸島を巡って日中が緊張する中、日本政府は2013年2月5日、尖閣から100キロ超の東シナ海で海自の護衛艦「ゆうだち」が、中国海軍のジャンウェイⅡ級フリゲート艦から1月30日にレーダー照射を数分間、受けていたことを公表。これに先立つ1月19日にも海自の哨戒ヘリコプターSH60Kに対し、中国海軍のジャンカイⅠ級フリゲート艦から照射されていた疑いが浮上した。
中国外務省の報道官は2月6日、軍からの連絡が無かったことを認めたが、政府としての公式見解は明らかにせず、政府、軍の距離がうかがえる(日本時間7日時点)。
中国海軍のレーダー照射は日本防衛上の課題を浮き彫りにした。レーダーを照射された結果分析について防衛省は慎重を期したとみられ、小野寺五典防衛相への報告に6日もかかった。また、現行憲法の制約下、レーダーを照射された場合でも現在の自衛隊の交戦規定(非公表)では、即座の反撃はせず、進路を変えるなどして対応するようにしていると言われる。
米軍なら反撃に至った可能性もあり、国際基準との整合性をどう取るかが問われた。
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