衆院解散
【しゅういんかいさん】
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衆議院を解散すること。4年間の任期途中でも解散すると議員は身分を失う。
憲法7条により、内閣の助言と承認によって天皇が行う国事行為の一つとされるが、事実上、内閣総理大臣(首相)が解散権を握っており、政界では首相が持つ「伝家の宝刀」と位置付けられている。
解散から40日以内に総選挙を行い、選挙日から30日以内に国会を召集しなければならない(憲法54条1項)。衆院解散時は参院も閉会するが、緊急の場合、内閣は参院の緊急集会を開くことができ(同条2項)、その議決は、後で新しい衆院の同意が得られなければ効力を失う(同条3項)。衆院で内閣不信任決議案が可決、あるいは信任決議案が否決された場合、首相は10日以内に衆院を解散しない限り、内閣総辞職をしなければならない(同69条)。
野田佳彦首相は2012年11月14日、国会での党首討論で16日に衆院を解散する意向を明らかにした。2012年衆院選は12月4日公示、16日投開票で行われる。
戦後の衆院で任期満了を迎えたのは三木政権下の1976年のケースのみで、他はすべて解散している。解散の閣議決定は、全閣僚の閣議書への署名を要する。
2005年8月には、当時の小泉純一郎首相が署名を拒否した島村宜伸農相を罷免し、解散を断行した。解散決定後、天皇陛下からの解散詔書に首相が署名。通例では、議長が「日本国憲法第7条により衆議院を解散する」と議場で詔書を読み上げ、議員が万歳三唱する。
解散は、その時々の政界の動向にちなんだ通称で呼ばれることがある。著名なケースでは、1953年、吉田茂首相が予算委の席上、野党議員に言い放った一言に由来する「バカヤロー解散」、自民党の内紛で大平内閣の不信任案が可決した1980年の「ハプニング解散」、小泉首相が郵政民営化の是非を問うた前述の「郵政解散」などがある。2012年の解散の通称は未定だが、野田首相が8月、自民党の谷垣禎一総裁(当時)と消費増税法案成立で合意した際の会談で「近いうちに国民に信を問う」と語ったことがクローズアップされている。法案成立後もすぐには解散が実行されないまま、自民党総裁は安倍晋三氏に交代。政界やメディアで「近いうち」という言葉が批判や揶揄の対象となるうち、同年の新語・流行語大賞候補に「近いうちに解散」がエントリーした。
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