景気の底入れ
【けいきのそこいれ】
【時事用語のABC】 時事用語アーカイブ > 経済
景気の悪化に歯止めがかかった状態になること
後退局面にあった景気が下げ止まり、もうそれ以上は悪くならないと判断される状態になること。通常は、景気循環の谷底にあたると考えられている。
景気変動の理論によれば、生産や投資などが拡大して景気のピーク(山)を超えると、過剰な生産が後退局面へと導き、景気は最も悪い状態である「谷」に向かう。その間に、雇用や在庫の調整が行われ、次の回復局面に向かう準備をしている。
景気の底入れとは、厳密には後退局面の終息を指すだけで、回復軌道に乗るかどうかは分からない。しばらくは同じ状態が続くとき、景気は「底ばい」と呼ばれ、回復局面に入るまでに時間がかかる。また、底ばいの後、再び景気が悪化することを「底割れ」といい、景気の浮揚力が弱いとそのおそれもある。
政府は、17日にまとめた5月の月例経済報告で、景気の底入れを宣言した。まだ厳しい状況にあるとの条件つきだが、輸出や生産で回復の兆しが見られることから、「底入れ」宣言に踏み切った。民間のシンクタンクの多くは、今年の1月~3月を景気の谷だったと見ているようだ。
ただし、政府の「底入れ」宣言には、市場に対するアナウンス効果をねらう場合が多い。また、いったん宣言した底入れを撤回に追い込まれたこともあったため、前回の景気循環の谷では、正式な「底入れ」宣言は見送られた。
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