肉桂餅[八百源来弘堂]
【にっきもち】
【全国五つ星の手土産】 近畿 > 大阪府
16世紀後半の安土・桃山時代に、南蛮貿易の拠点として繁栄を極めた堺へもたらされた肉桂(シナモン)。高貴な香料として珍重されたが、子どもや女性の口には馴染みにくいものだった。それを甘い餅に混ぜて新しい味を考案したのが、当時堺で大きな商いをしていた貿易商の八百屋宗源。時代が下った元禄年間(1688~1704)に、菓子商となったその子孫が先祖の遺徳をしのんで作り上げたのが、現在も伝え続けられている肉桂餅である。
肉桂を練り混ぜた求肥で小豆のこし餡を包んだこの餅は、爽やかな清涼感と甘い香りが独特な味わいを醸し出す。江戸期には茶の湯の席でも好まれたという。確かに渋い色とやわらかな肌合いには、侘び寂の風情がある。このほか、5月~9月には水羊羹の肉桂涼感が好評。かつての呂単の茶壺風の器に入った、懐中汁粉の利休茶壺は冬の人気商品だ。
data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。
【辞典内Top3】
【関連コンテンツ】
広告を表示できません。
【この辞典の書籍版説明】
「5つ星の手土産」岸 朝子/選 |
|
料理記者歴50年の岸朝子が全国津々浦々の土産銘菓を,伝統,味,地元定着度,地元推奨度,全国的知名度などの観点から厳選して紹介する,まさに日本国民必携の永久保存版手みやげ大全。 |
|
出版社:
全国五つ星の手土産[link] |