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ワーグナー
【東京雑学研究会編】

雑学大全趣味 > 音楽

結婚式の披露宴でよく奏でられる「結婚行進曲」。これは、一八五〇年にワイマール宮廷劇場で初演されたという歌劇『ローエングリン』の中で演奏された曲で、正式には「婚礼の合唱」というタイトルがつけられている。厳かで勇ましい感じのするこの行進曲は、日本では非常に親しまれているが、西洋では別れにつながる不吉な曲として、結婚式に使われることはないという。
まずは、この歌劇のあらすじをたどってみよう。『ローエングリン』は、古くからドイツやフランスに流布していたローエングリン伝説に基づいて作られた。物語の舞台は、一〇世紀のアントワープ付近。聖杯守護の騎士ローエングリン(実はキリスト教の聖杯物語に出てくるパルチファル王の息子)が、白鳥の舟に乗ってブラバントの皇女エルザのもとに現れる。彼は、奸臣テルラムントから弟殺しの罪で訴えられていたエルザの冤罪を晴らし、彼女と結婚することになる。このとき、エルザに自分の身分を問うてはならないと言うが、結婚の夜、エルザはその禁を破り、騎士の名を尋ねてしまう。翌朝、その騎士は、自分が聖杯の守護長パルチファルの息子、ローエングリンであることを名のり、聖地へと去っていった。
ワーグナーがこの歌劇を作った背景には、彼の出生への疑念が大きく影響していると言われている。ライプチヒ警察の書記官だった彼の父親は、彼が生まれた半年後に亡くなった。母親は、有名な俳優で画家でもあったガイヤーと再婚するが、母親とガイヤーは、父親の生前から親密な関係にあったらしい。ガイヤーも七年後に亡くなるが、ワーグナーの心には、自分が不貞の子では……という疑念が残った。母の不貞を許しがたいと思う一方、芸術家ガイヤーが父親かもしれぬということに喜びもあった。
このような出生の秘密をめぐるワーグナーの心理が、ローエングリン伝説のテーマ「光と闇」、「善と悪の闘争」、「好奇心が愛を失わせるという思想」に重なると言われている。
あなたが次に「結婚行進曲」を耳にするとき、はたしてどのように聞こえることだろうか?


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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ISBN: 978-4487799473