ホタル①
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生物の不思議 > 昆虫
ホタルはあんな小さな体を光らせて、熱くはないのだろうか? うっかり光りすぎて、ヤケドをしないか心配である。
自然の光が、すべて熱によって生じるとはかぎらない。ホタルの光は、熱によるものではなく、生物発光によるものなのである。
ホタルは、お尻を光らせているように見えるが、発光器は腹部にある。発光器は、透明な表皮、発光細胞からなる発光組織、その奥の反射層から成っていて、発光組織には、神経と気管が縦横に走っている。
発光細胞では、ルシフェリンという発光物質が作られる。これに、アデノシン三リン酸(ATP)とマグネシウムが作用すると、アデニルルシフェリンという中間代謝物ができる。それが空気中の酸素によって酸化されて、黄色い光を放つのである。この酸化が起こるときには、ルシフェラーゼという酵素が触媒として働いている。
このように、ホタルの光は、完全な化学反応によって発する、熱を伴わない冷光なのである。化学エネルギーが光エネルギーに変換し、エネルギーのほとんどが光に変わるので、熱は発生しない。だから、ホタルは熱くはないし、ヤケドもしないのである。
data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。
【関連コンテンツ】
広告を表示できません。
【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
|
“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!! |
|
出版社:
雑学大全[link] |