バニラビーンズ
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生活 > 食べ物
アイスクリームや、生クリームを使った洋菓子に欠かせないのがバニラの香り。甘く優しい香りは、お菓子の味を引き立てている。
通常、家庭でお菓子を作るときは、ビン入りのバニラエッセンスを使って香りをつけるが、高級洋菓子店などの生クリームをよく見ると、小さな黒い粒が点々と入っている。これが、「バニラビーンズ」と呼ばれる香りのもとである。
ビーンズといっても、豆ではない。バニラは蘭科の植物で、中南米のジャングルに自生している。香りの主成分はバニリンと呼ばれ、熱病やヒステリーにも効果があるとされてきた。
バニラはつるで伸び、淡い緑色のトランペット型の花をいくつも咲かせる。この果実が、長さ一五~三〇センチの長さのバニラビーンズである。豆のさやのような形をしているのでこう呼ばれるが、中にあるのは豆ではなく、黒い小さな粒々。つまり、バニラは蘭の果実なのである。
緑色のバニラビーンズは、やがて黄色になり、四~五か月経つと紫がかった褐色に変わる。現在、バニラは世界の各地で栽培されているが、収穫したままのバニラビーンズは、さほど香りはせず、発酵させてはじめて、あの芳香が出る。
発酵の方法はさまざまだが、完熟前の黄ばんだ頃のバニラビーンズを、さっと熱湯につけて日に干したり、密閉した容器に入れて毛布にくるむことを何度も繰り返すという、何日もかかる作業である。
ゆっくり発酵させたバニラビーンズは、しだいに褐色になり、芳香を発するようになる。長くしわの多い形状のバニラビーンズを束ねて出荷することになるのだが、日本でも、洋菓子素材の専門店で見ることができる。
バニラエッセンスは、果実の周囲の果肉から出た液を、アルコールで抽出して作ったものである。
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