ノミ
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生物の不思議 > 昆虫
人間や、イヌ、ネコなどのペットについて困らせる虫がノミである。そして、驚くべきは、そのジャンプ力である。
ノミの体長は一~二ミリだが、一〇~三〇センチメートルも跳躍することができる。大したことはないように思うかもしれないが、ざっと計算して、ノミの体長の一〇〇倍以上にもなるのである。あなたは、自分の身長の一〇〇倍ジャンプすることを、想像できるだろうか?
人間や動物が跳躍するときは、筋肉の力が頼りである。だから、陸上の跳躍競技の選手はもちろん、バレーボールなどジャンプを要するスポーツの選手たちも、せっせと筋力トレーニングに励む。
しかし、ノミのジャンプ力は、筋肉だけではなく、レジリンという弾性を備えたタンパク質によるものである。
ノミは、レジリンを後ろ足と体の接続部分に持っているが、このレジリンは、どんなゴムよりも効率的にエネルギーを蓄えて放出する性質があるのだ。
レジリンを引き伸ばしてから放してみると、蓄積したエネルギーの九七%を放出する。つまり、エネルギーのロスは、わずか三%なのである。私たちの身近にあるゴムの多くは、ロスが約一五%だから、レジリンがいかに効率のよい弾性体であるかがわかるだろう。レジリンは、トンボやバッタなどの、羽の関節の靭帯の中にも存在している。
そのほかに、ノミのジャンプ力の要因としては、体の表面を覆っているクチクラという層にも弾性があること、また、頭と体を丸めたような体形がジャンプに適していることなどがあげられる。
しかし、何といってもジャンプを支えているのは、レジリンである。ノミには、あまりジャンプできない種類もあるが、それらはレジリンを持っていないか、または少ししか持っていないからである。
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【この辞典の書籍版説明】
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