ナマケモノ①
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生物の不思議 > 動物
その名に恥じない怠けぶりで、知れば知るほどうらやましくなるのが、ナマケモノのライフスタイルである。
私たちはナマケモノというと、木の枝にだらーんとぶら下がっている姿を思い浮かべる。だが、写真などでおなじみのあの格好も、実は移動中の姿で、ナマケモノにとっては、精一杯活動しているところなのである。
徹底した樹上生活を送るナマケモノは、一日のほとんどを、自分の気に入った枝でじっと座ってすごす。
また、生き物にとっては生存の絶対条件で、最大の楽しみであるはずの食事さえ、手抜きですませる。彼らが食べるのは、セクロピアなどの木の葉だが、できるだけ手の届く範囲で食事をすませようとする。努力してまで、食べ物をとろうなどとは考えないらしい。
しかも、口に入れた葉を、よくよく噛もうとはしない。それでも消化できるのは、胃がいくつにも分かれており、そこに食物繊維を分解できるバクテリアがいるからなのである。つまり、草食に最も適応した動物のウシの胃と、同じ仕組みになっているのだ。
その上、胃袋に食べ物が入ったという情報が脳に届くのが遅いので、ひっきりなしに食べ続けることになる。胃は常に満杯で、ときには体重の三分の一が胃袋という事態を招き、その消化に一か月もかかるという。だからといって、胃がパンクすることもなく、バクテリアがじっくり消化してくれるのだ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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