電車の座席
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生活 > 乗り物
公共の空間の中にいるとき、どの辺りに自分の居場所を作りたいか。いろんな場所で人間を観察していると、一定の特徴があるようだ。
例えば、電車の座席では、確かに端の方に座りたがる人が多い。中央の席からわざわざ空いたばかりの端に席替えする人もいる。
講演会の会場のような広い場所では、中央の前の辺りがいつもガランとしていて、端の方やどちらかといえば後方に席を取る人が多いので、なるべく前から席が詰まるように、主催者が気を使っている。
喫茶店の席では、店の真ん中にポツンと座るより、壁際や窓際の席のほうを選ぶ人が多い。
このような特徴があらわれるのは、人間の動物的本能による欲求だそうだ。つまり、常に自分の位置を確認しておきたいため、全体をよく見渡せる隅っこの席に陣取り、しかも壁を背にして安心していたいのだという。この壁は防壁なのだ。日本人にはこのタイプが多いという。
犬の行動と比較すると、やはり、犬も散歩中に塀やフェンスのそばに寄って歩きたがる。身体の一方を塀やフェンスで敵の攻撃から守れるので、安心なのだ。
ところが、アメリカ人のようにおおらかなお国柄の人間は、多少違っている。電車でも真ん中の席に座るそうだ。カフェなどでも、広々としたところに席を取る方が好きらしい。ということは、動物的本能のみでは片づけられない何かがあるのかもしれない。国民性というべきか。
また、一人一人のタイプとして注目しても面白い。真ん中の席に座る人は、マイペースで他人を気にしないタイプ。常に、目立ちたがりであけっぴろげな性格と言える。電車や部屋の入り口近くを好む人は、せっかちで気ぜわしいタイプなどなど。
今一度、公共の空間の中の自分自身や他人の行動パターンに注意してみると、面白い発見があるかもしれない。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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