テレビCM
【東京雑学研究会編】
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民放に流されるCM。この中には視聴者の耳目を楽しませ、ときには爆笑を誘ったり、また、センス良くまとまっていると感じさせたりするものもあることは確かだ。それは誰もが率直に認めるであろう。
しかし、CMの時間帯を「トイレタイム」と言って、テレビの前から姿を消す視聴者もいるほど、目障りで、しかも、とっさに音量を下げたくなるほどうるさく、不快なCMも多い。
CMは一九七三(昭和四八)年頃から視聴者の不満が大きくなった。二八の市民団体で構成される「子どものためのテレビCM連絡会」は、CMの音量を番組と同じ大きさにするよう、日本民間放送連盟に要望書を出した。全国地婦連も、生活騒音が問題になっている今日、消費者はうるさいCMを喜ばないと厳しく批判した。
全日本CM協議会は、一九七六(昭和五一)年から「CM音量・音質適正化」キャンペーンを開始。一九七六(昭和五一)年、一九七九(昭和五四)年と調査をして、音量の許容限度を超えている広告主、広告代理店に改善を申し入れた。が、その後は、改善が見られるとしても、大した動きは見られない。
ある時間内に流れた音の平均的なエネルギー「等価騒音レベル」を測ることができる「騒音計」なるものがある。これで測ってみると、二~三人のトーク番組で五一・三ホン、ドキュメンタリー番組は一〇分間で五二ホン。五五ホンを超えるとかなり大きく響くもので、交響楽のフィナーレは、四八秒間で五八・二ホンになるという。外国タバコ、ガソリンオイル、自動車などのCMの場合は、だいたい五三~五五ホンで、番組の音量と極端に違わないように感じる。特に「うるさい」と感じるのは、穏やかな番組からCMにはいるときだそうだ。つまり、CMの音は、うるさいというより「うるさく聞こえる」と説明される。
CMは短時間に多くの視聴者の注意を引こうとして、高いレベルの音がつまっている。また、CMの前の一秒ほどの無音帯の後にいきなり大音量になるものが多い。これらが、うるさく聞こえる理由とのこと。大音量を希望する広告主もいるそうだが、しっとりと強い印象を与えるCMを工夫してほしいものである。
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