中国種とアッサム種
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生活 > 飲み物
緑茶に紅茶にウーロン茶。お茶ということでは同じだが、この三つは似ても似つかない。色も違えば味も違うし、緑茶が好きでも紅茶は今一つという人もいるだろう。
でも、実はこの三つはもともと同じ木から採れる葉っぱなのである。
お茶の木というのは、緑茶の木とか、紅茶の木、ウーロン茶の木といった具合に、種類によって違う木が存在しているように誤解している人も多いだろうが、そもそも茶の木は中国種とアッサム種という二種類しか存在していない。一~一・二メートル程度の低木が中国種で、アッサム種は六メートルにまで高くなる種類で、主にインドなどで栽培されているものだ。
どちらにせよ、お茶の葉はほうっておけば人間の手の大きさぐらいまで成長するが、お茶は小さくて柔らかい葉のほうが上質なので、育ちきらないうちに繰り返し刈り込まれている。つまり、緑茶も紅茶もウーロン茶も、お茶の木の若い葉を刈り取ったものというわけである。
違いが出てくるのはこの後。
緑茶の場合は、葉っぱを摘んだあとですみやかに加熱して酸化酵素の働きを止めて作り上げる。発酵させないから、あの緑の美しい色を保っているわけである。
紅茶の場合は、葉っぱをローラーにかけて汁を絞り出してから布で覆い、酵素をフルに機能させて完全に発酵させるのである。その結果、黒っぽい色になり、独特の香りを持つようになる。
ウーロン茶は部分的に発酵させた段階のもの。だから、緑でも黒でもない独特の色になっているというわけである。
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【この辞典の書籍版説明】
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