地球①
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 自然 > 宇宙
「地球は丸い」といわれているが、実は決してまん丸ではない。
地球の赤道半径(赤道部分の半径)は約六三七八・一四キロメートル、極半径(北極、南極までの半径)が約六三五七・七五キロメートル。
この数字が示すように、地球は南北に押しつぶされたような楕円形をしている。
もちろん、楕円形とはいっても、極半径は赤道半径の九九・六七%。たった〇・三%短いだけなので、それほど極端な楕円形ではない。
最初にこのことに気づいたのは万有引力の法則で有名な一七世紀の物理学者ニュートンだ。
ニュートンは地球が自転しているとしたら、遠心力は極付近では小さくなり、赤道付近では大きくなる、したがって地球は赤道付近で外側に引っ張られるため、楕円形をしているはずだと考えたのだ。
地球の赤道付近の地面は、自転によって秒速八五〇キロメートルも動いている。しかし、この動きは極付近ではゼロになる。つまり地表にかかる遠心力の強さが、赤道付近と極付近で大きく異なるのだ。
以来、測量や研究などの結果からも、地球物理学ではこれが定説とされてきた。
地球以外の惑星で、こういった押しつぶされ方が顕著なのは土星だ。土星は極半径が赤道半径に比べて一〇%ほど短い。これは土星がガスが集まってできた、地球よりも密度の低い惑星であるため遠心力の影響を受けやすいのだ。
地球は固い鉄の芯のまわりを高密度のマグマが覆い、さらにその上に地殻がかぶさっているため、密度の小さい土星ほど極端に遠心力の影響を受けていない。
二〇世紀にはインテルサット、ランドサットなどの人工衛星からの観測で、地球は南北に押しつぶされた形であるうえ、日本よりやや北の部分から北極にかけて最大で一九(資料によっては一三・五)メートルほど出っ張り、南極付近が二六(資料によっては三四・一)メートルほど窪んでいることも確認された。誇張した表現をすれば、地球は西洋梨のような形である、ということになる。
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