だっこちゃん
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生活 > おもちゃ
一九六〇(昭和三五)年、当時爆発的なブームとなったおもちゃがあった。それは、小さな黒人の子どもを模したビニール製のお人形「だっこちゃん」である。
子どもはもちろん、大人までもこの可愛らしさに魅せられ、誰もが腕につけて歩いた。その当時の写真をどこかで見た記憶がある方もいるかもしれない。
とにかく一年間で二四〇万個も売り上げ、その爆発的な人気で売り切れ続出。デパートでは整理券を発行し、列になって「だっこちゃん」を買い求めたというから、ひところ大人気となった「たまごっち」同様、社会現象ともなるような大騒ぎぶりだったことが想像できる。
さて、この「だっこちゃん」であるが、実はこの人形にはれっきとした名前があった。製造メーカーは、この人形に「木のぼりウィンキー」という名前をつけていた。南洋の黒人の子どもがヤシの木に登っているイメージで、片目をウィンクするように作ってあったから、ウィンキーだったのだ。黒いボディーに、黄色い腰みの、大きな目が特徴の可愛らしさは、多くの人を魅了したが、それだけでなくブームになった理由がもう一つあった。
それは、その木登りの形をした手の部分に、腕を通すと抱きつくような形になったところから、マスコミがつけた「だっこちゃん」という名前だ。その気取らないネーミングの効果もあってか、爆発的なヒットにつながったようだ。
町中でダッコちゃんを腕につけて歩く若者の姿は、まさに高度成長時代の象徴でもあったわけだ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
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“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!! |
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