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体温
【東京雑学研究会編】

雑学大全生活 > 健康

自分の平熱を知らない人は、ほとんどないであろう。三六・五度とか三六度、中には三五度くらいの人もいる。個々に多少の差はあるようだが、どんなに寒い冬でも暑い夏でも、一年を通してほとんど変わらない。このように恒温動物の人間は、自律神経のはたらきにより、常に一定の体温を維持できる身体を与えられている。しかも、三六~三七度というこの温度は、体内の酵素の最もよくはたらく温度だそうだ
風邪そのほかの病気にかかると、発熱して身体が注意信号を発するが、はたして人体はどれくらいの高温あるいは低温まで耐えられるだろう
四二度以上の高温になったら、生命の危機だといわれている。人体の細胞を作っているたんぱく質は、四二度以上になると、熱で変性し始める。固まって破壊されるのだ。ちょうどゆで卵状態である。もちろん重要な酵素のはたらきも止まってしまう。
骨にはたんぱく質が三〇%も含まれる。カルシウムとリンで四五%、水分は二五%だそうだ。血液の五〇~六〇%を占める血漿にも多くのたんぱく質が含まれている。
高熱を出したときの小便の色に注意したことがあるだろうか。茶色くなっている。たんぱく質の分解による色素の色である
特に脳の細胞がダメージを受けやすい。高熱のときの応急処置は、とにかく体表面からどんどん熱を奪うこと。特に太い動脈が皮膚の表面近くをはしっている部分を、氷で冷やすと効果がある。頸動脈のはしる首筋、腋の下、足の付け根である。よく額に氷をのせるだけで安心している人がいるが、高熱の場合、それだけでは足りない。
低温、例えば雪山での遭難の場合、三三度以下になると、新陳代謝がうまくいかなくなって意識がなくなり、二八度以下になると、すべての臓器がはたらきを止める。
ちょっとした風邪と油断をせずに、適切な処置をしよう。体温の上下の限界を知ったからといって、ギリギリまで放置してはいけない。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473