ジュース
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生活 > 飲み物
世の中健康ブームで、食べ物への関心もずいぶん大きくなった。スーパーマーケットにも野菜ジュースや果物ジュースが、多種多様に並ぶようになった。その中でも、果汁一〇〇%のジュースは、おいしさの点で人気が高い。
ところで、果汁一〇〇%のジュースの容器には、「濃縮還元」と書かれたものと、「ストレート」と書かれたものの二種類がある。この二つの表示は、何を示しているのだろう。
「濃縮還元」とは、果汁に含まれる水分をいったんとばして、四分の一から七分の一くらいに濃縮し、再び水を加えてもとの濃度に還元するという製法のことである。では、なぜこんな手間のかかる製法を取るのだろう。
国の内外から原料の果汁を集めるとき、量が多いと保存や輸送に手間と時間がかかり、コストもかかる。そこで、濃縮した状態で取り扱うと、これらの問題は解決できるし、品質保持の点で特に有利である。
代表的な濃縮法が二つある。一つは、「流膜流下型濃縮法」と呼ばれているもので、最も一般的な方法。数段階に分けて、絞った果汁に加熱し、少しずつ水分をとばしていく。これは効率がよく、高濃度まで濃縮できる方法である。
もう一つは、「凍結濃縮法」。温度を下げ、果汁中にできる氷の粒を一定期間成長させ、加圧濾過する。氷の形で水分を除いた果汁を取り出すのである。この方法によると、加熱しない分、香りや味がよい。
濃縮された果汁は、輸送された後、製造工場で水を加えられ還元されて、容器に詰められる。
一方、「ストレート」というのは、原料の果汁を絞ったまま、あまり手を加えない製法である。
表示に使われている「濃縮還元」や「ストレート」という用語は、法律改正の結果、二〇〇〇(平成一二)年八月から用いられている。今一度、ジュースの容器を確かめてみてはどうだろう。
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【この辞典の書籍版説明】
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