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国境線
【東京雑学研究会編】

雑学大全社会 > 社会

海に囲まれた島国の日本は特に国境を定めなくても、海が自然に国境となってしまう。ほかにも河川、山の尾根などが国境になっている場合があるが、これを「自然国境」という。国境線の入った世界地図を見ると、ユーラシア大陸のほとんどの国が複雑な線を持つ自然国境によって区切られている。
これに対して、人為的に作られた国境を「数理的国境(幾何学的国境)」と呼ぶ。これは植民地分割など政治的理由によって作られたもので、北アメリカやアフリカなどに多い。これらの地域の地図を見ると国境が直線で引かれている。
アメリカとカナダの国境はアメリカ合衆国イギリスから独立した後に機械的に線引きをしたためだ。
アフリカの国境線ができたのは一九世紀から二〇世紀にかけてのことで、主にヨーロッパの列強によって分割されて作られた。
この時期、フランスイギリス、ベルギー、ドイツなどがアフリカに進出して植民地を作った。植民地の国境線をどう決めるかという段階になって、古くからの王国や民族の勢力が考慮された場合は自然国境ができたが、地図上に単純に線を引いて、これを国境とした場合も多い。砂漠ではこの傾向が顕著で、サハラ砂漠やカラハリ砂漠では地形と全く関係のない直線的な国境が目立つ
一八八四年、イギリスフランス、ドイツなど一四か国の代表がベルリンに集まり、コンゴ盆地条約を結んだ。当時、分割競争が激しかったアフリカ中央部はこの条約によってヨーロッパ列強の領地に組み込まれた。
また、東アフリカではアラビア人の来航とともにイスラム教が広がり、一九世紀にはザンジバル島のスルタンイスラム教の君主)が大きな勢力を持っていたが、イギリスフランス、ドイツの三国はザンジバル王の領地を一八八六年までに調査し、この調査をもとに分割協定を結んだ。これによってマダガスカル島はフランス領、アフリカ大陸東海岸についてはイギリスが北半分、ドイツは南半分を勢力範囲とした。
このような列強によるアフリカ分割は、アフリカに住む先住民の生活や歴史とは無関係に設定された。
こういった数理的国境は一つの民族を国境で二つに分断したり、関係の薄い部族同士を一つの国家にくくったりした。言葉、生活習慣、宗教などの違いから国家としての独立を妨げたり、独立後も一つの国の中で部族同士の対立を生んだりする結果となった。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473