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国道①
【東京雑学研究会編】

雑学大全地理 > 場所

国道はご存じのように、全国各地いろんな場所にあるが、海の上にも国道はある。といっても、海の上に架けられた橋や、地下にもぐる海底トンネルではない。
フェリーボートのように道路と道路を結ぶ機能があると判断されれば、実際にクルマが走ることはできなくても、その航路は立派な国道なのだ。
例えば、四国・愛媛県にある佐田岬半島と、対岸の大分県佐賀関町。
高知県高知市を起点とし、大分県大分市を終点とする国道一九七号線は、途中で愛媛県の佐田岬半島を通るが、三崎町の三崎港まで来ると、国道は見えなくなる。それでも、対岸の大分県の佐賀関町には、また一九七号線が走っている。つまり、三崎と佐賀関の間は海の上を国道が走っているというわけだ。
対岸の佐賀関町は「関さば」と「関あじ」で全国的に名高い町。大分県の東端に位置し、半島部は豊予海峡を経て、愛媛県佐田岬半島と相対している。この直線コースが、海の上の国道なのだ。
現在、「国道九四フェリー」という社名の会社が、「九州~四国の最短航路」として、愛媛県三崎と大分県佐賀関を結ぶフェリーを定期的に運航している。「国道一九七フェリー」の間違いではなく、九は九州、四は四国を表しているから「国道九四フェリー」という社名なのである
海の国道は約二九キロメートルあり、両者を結ぶフェリーの所要時間は、およそ七〇分。豊予海峡は潮が速く、海面下一メートルほどのところに、いくつもの暗礁が存在する。
クルマでは通れない海の上であっても、フェリーという「動く国道」によって人と愛車を安全に運んでくれるのである


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473