睾丸
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 ヒトの不思議 > 人体
人間の身体は、本当にユニークな形をした器官の集合体といえる。普段は当たり前になっているので、何とも感じないかもしれないが、ひとつ一つをつくづく眺めてみると実にユニークなことに気づくはずだ。
そんな中でも男性の生殖器官であるペニスと睾丸は、大事な役割があるにもかかわらず、どうして無防備な姿で外に出ているのだろう。女性の場合は、きっちりと体内におさまっているではないか。
それは、精子を作るには、低温の方が適しているからだ。それも、三五度より少し低いぐらいが、適温といわれている。この微妙な温度を保つのが重要で、精子の製造は、それほど精密な仕事というわけ。股間にぶら下がっていると、ちょうど適温に保たれるらしい。
内臓を守るには、普通皮下脂肪を必要とする。しかし、睾丸の袋にはそれがない。おまけに表面に多くのしわを作って、表面積が広くなるような工夫もされている。そうしておけば、熱を逃がしやすいからだ。いわば、ラジエーターのはたらきとでもいおうか。
それほど温度管理が難しいということは、たった一度体温が上がっても、多大な影響を受けるということである。昔から、男の子はおたふく風邪にかからないように注意しなければならないと、よく言われる。おたふく風邪に限らず、高熱の出る病気で、精子を作る能力を失うことがあるのである。
睾丸は、皮下脂肪がない分、皮は八層構造になっている。そして、丈夫な二本の足の間で、しっかりと守られているのだ。
温度管理がこれほど重要である以上、男性は下着にも注意したほうがよさそうだ。熱をこもらせないよう風通しのよいトランクスと、ゆっくりしたズボンで過ごすのがいちばん良いだろう。
ちなみに、睾丸の俗称についても一言。飛鳥時代の大和言葉では、「生の玉」あるいは「生玉」と呼ばれていた。「これがあれば、生きられる」という意味だそうだ。また、「厳し玉」とも。この部分は致命傷となるぐらい厳しい部分の意である。そして、「キビシタマ」がなまって、江戸時代にはおなじみの「金玉」という名が生まれたという。
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