グリコ
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 社会 > 企業
ちょっと懐かしい話だが、グリコのCMが記憶に残っているだろうか。昭和の時代、お菓子のCMとして流れていた一節を思い出してほしい。
江崎グリコのキャラメルの宣伝で「一粒三〇〇m」というスローガンがあった。箱についた走るマークからも、グリコのキャラメルには三〇〇メートル走れる栄養があるのだということは容易に想像できたが、さて、この三〇〇メートルの根拠はどこから来ているものなのだろうか。
江崎グリコのホームページの資料によれば、キャラメル一粒は一五・四キロカロリーあるそうだ。
ここからはちょっと数学の問題のようになるが、身長一六五センチ、体重五五キロの平均的日本人男性が分速一六〇メートルで走るとする。そのときに使うエネルギーは一分間で八・二一キロカロリーになる。一粒のエネルギーは、一五・四キロカロリーだから、それを八・二一キロカロリーで割ると、一・八七五七……分走り続けるエネルギーがあることになる。分速一六〇メートルだから、一六〇かける一・八七五七……は三〇〇・一二……となり、簡単にいえば、三〇〇メートル走れるということになるわけである。
面白いことに、グリコはまずこの三〇〇という数字があって、必要カロリーが決められている。「一粒三〇〇m」というのがあまりにインパクトがあり、語呂がいいため、それがウソでないように、キャラメルの成分が調整されたというのである。
その根拠となったのは陸軍の資料というから、このお菓子の歴史が感じられるエピソードなのだが、当時の担当者が軍医に尋ね、そこから導き出されて、あのキャラメル一粒ができ上がったのである。
商品スローガンがあって、その商品が誕生していくというのは、いかにも宣伝主導の商品開発の有り様だが、グリコのキャラメルはその先駆けともなる商品だったのである。
data-ad-slot値が不明なので広告を表示できません。
【関連コンテンツ】
広告を表示できません。
【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全」東京雑学研究会 |
|
“働きバチは1日6時間しか働かない”,“下手な医者をなぜ「ヤブ」と呼ぶのか?”,“『浦島太郎』のカメはオスかメスか?”……のような知的好奇心そそる雑学の集大成。なんと全1000項目!! |
|
出版社:
雑学大全[link] |