恐竜③
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 生物の不思議 > 動物
約二億五〇〇〇万年前から六五〇〇万年前までは中生代と呼ばれ、大きな地殻変動がなく、陸地には大型の爬虫類・恐竜が生息していた。この時代に日本列島にも恐竜が生きていたということがはじめてわかったのは一九六八(昭和四三)年のこと。
福島県いわき市大久町板木沢で、当時平高校二年生だった鈴木直は、大久川の左岸に露出していた双葉層群の玉山層と呼ばれる地層から首長竜の化石を発見した。
彼が川の中の岩を削ってみると筋のようなものが確認できた。最初はそれをシダなどの植物の化石だと思っていたが、割ってみたらそれは首長竜の化石だった。
この化石は幸運なことに、頸椎と尾椎以外の主な骨格はすべて保存されており、世界的な大発見となり「フタバスズキリュウ」と命名された。
フタバスズキリュウの学名は「ウェルジオサウルス・スズキイ」。厳密には恐竜ではなく、恐竜と同じ時代に生きていた大型の海生爬虫類だ。
恐竜は爬虫鋼双弓亜綱に分類されるが、フタバスズキリュウのような首長竜は広弓亜綱に分類される。とはいえ、一般的には首長竜は恐竜と呼ばれているので、フタバスズキリュウも恐竜と呼んでさしつかえない。
フタバスズキリュウが発見されたいわき市から広野町にかけては、中生代はアジア大陸の一部だったが、白亜紀後期(約八〇〇〇万年前)、海水が浸食して遠浅の海になった。その頃、堆積した地層は古い順に足沢層、笠松層、玉山層と呼ばれ、この三層をあわせて双葉層群と呼ばれている。
こういったことから双葉層群は古くから、古生物学者や地質学者の注目を浴びていた。一九二六(大正一五)年には東京大学の紀要で徳永重康、清水三郎などが詳細な調査内容を「徳永清水論文」で発表した。これはその後の研究者やアマチュアたちにとっての貴重なマニュアルとなり、フタバスズキリュウ以後、続々と発見され始めた恐竜化石の発見者たちのバイブルとなっている。
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