利き腕
【東京雑学研究会編】
【雑学大全】 ヒトの不思議 > 人体
人間には、利き手、利き足というものがある。利き手は、いつも自発的に使おうとする手で、一般にはペンや箸を持つ手である。中には、ペンは右手で、箸は左手、あるいは、その逆の人も少数ではあるがいる。利き足は、片足立ちをしてみればよくわかるが、より安定して立っていられる方の足だ。どうしてこんな風に、使いやすい手や足ができるのだろう。どちらも同じように使えればいいのに。
手は、たいていの人が右利きである。成人で左利きの男性は、約五%、女性は約三%という。ちなみに、動物では右利きも左利きも五〇%ずつとのことである。
人間にだけ右利きが多い理由は、はっきりしていないが、いくつかの理由が考えられる。
家庭でのしつけで右利きにしているという説。右利き人間が多く、自分も右利きだから子どもも右利きにしようという親の期待があるのかもしれない。
次に人間の脳の右半球(右脳)と左半球(左脳)のはたらきに注目して、説明しようとするもの。人間は左脳をよく使っているというが、それは、言語をつかさどっているのが、左脳だからである。そして、左脳は、右半身の身体の動きを支配している。脳の中で神経が交差しているのである。このため、右半身の動き、つまり、右手の動きの方が左手の動きよりスムーズで、筋肉も右手の方が発達することになる。
もう一つは、心臓を守るには、手は右利きでなくてはならないという説。昔、人間が狩りをしたり、戦ったりしていたとき、左手に楯を持って左胸の心臓を守り、右手に武器を持ったので、その名残りで右利きになったという。
しかし、いずれも決定的な説とはいえない。
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【この辞典の書籍版説明】
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