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家紋
【東京雑学研究会編】

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日本の家には、それぞれの家紋がある。和服の正装である紋付は、この家紋を染めたり、刺繍したものである
家紋がうまれたのは、平安時代の前期である。貴族たちが朝廷に参内すると、牛車がずらりと並ぶことになる。牛車は黒漆塗りで、みな同じようなものだから、現代で言えば黒塗りの高級乗用車が並んでいるようなもので、見分けがつかない。
そこで、貴族たちは、自分の家の牛車に金蒔絵で印をつけた。例えば藤原氏は、「藤」にちなんで、枠の中に藤の房を入れた「藤堅涌」の図柄とした。やがて、藤原氏が分家すると、一条家の「一条藤」、二条家の「二条藤」など、バリエーションが増えていった。牛車だけではなく、衣服や調度品にも家紋をつけた。
武家社会の世の中になると、家紋はさらに重要なものとなる。家紋を染め抜いた旗指物を高々と掲げ、一族郎党の団結のしるしとした。戦場では、敵と味方を区別するためにも、なくてはならないものだった。
南北朝時代の新田氏と足利氏は親戚にあたり、新田氏は、円形の真ん中を黒くした「大中黒」の紋、足利氏は二個の白い長方形を並べた「二引両」の紋を使っていた。
この新田氏と足利氏が戦って、敗れた足利氏は都を追われ、家来たちは新田氏に降伏したことがあった。彼らは、新田氏に許されると、自分たちの笠に描かれていた足利氏の家紋の真ん中を黒く塗りつぶし、新田氏の「大中黒」のようにしてしまった。主君の紋をつけることは忠誠のあかしなのだが、足利家の家来たちは、家紋を塗り替えることで、さっさと主君をも替えてしまったわけである
家紋は、公家や武家ばかりでなく、庶民にも持つことが許されていた。世界じゅうで家紋があるのは、ヨーロッパの貴族社会と日本だけである。日本の家紋は、およそ一万二千種類もあり、魔除けになるといわれる植物の意匠が多い。


東京書籍
「雑学大全」
JLogosID : 14820744


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編集: 東京雑学研究会
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発売日: 2004年8月
ISBN: 978-4487799473